Minerva Schoolsアジア地域統括部長Kenn Ross (ケン・ロス)インタビュー

hayatofujii1・インタビューア説明
同志社大学4年 現在、ミネルバ大学日本のインターン生。ミネルバの説明会にて衝撃を受け、日本にもミネルバのような教育が広がるべきだ!とインターンをそのまま志願。現在に至る。教育に熱意があり、来年以降、シンガポール、シリコンバレー、オランダなどの世界の教育を見て回る旅に出る予定。


ミネルバ大学のアジア地域統括部長であるKenn Ross氏にインタビューしました。

Kennはミネルバ大学に参画する以前に、United Technologiesという会社でアジア地域のビジネス開発マネジャーをした後、Harvard Business SchoolでのMBA留学を経てエネルギー分野と教育分野で起業を経験しています。また、大学はMiddlebury College、Johns Hopkins大学修士、と米国のトップ大学を卒業しています。 


 

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飛び入り参加のイベントでピッチをするKenn

藤井(以下F):なぜミネルバ大学に参画したのですか? あるいは、あなたに、このイノベーティブな組織に移ろうと思わせたのは何だったのでしょうか?

Kenn(以下K):ミネルバのことを聞いた時、「これだ!」と思ったんです。「このプロジェクトは、絶対に実現すべきべきだ」とね。

実は、イノベーティブかどうかはあまり気にしませんでした。私は、よく半分冗談で言うんです。「ミネルバ大学はそれほどイノベーティブじゃないですよ」

ミネルバ大学が採用しているカリキュラムや学習法は、すべて研究で実証された科学的根拠のあるものです。何か新しいことを発明しているわけではありません。ただ、私はアメリカの大学事情、特にトップ校と呼ばれる大学については、自分自身がそこに所属していたこともあって長い間変わっておらず、問題があることも知っていました。

私は、自分が所属していた大学が好きでしたから、こうした大学をより良くするためにもミネルバ大学のプロジェクトは実現したい、と思いました。

それで迷うことなく、始めたばかりの自分の会社を人に任せて、直ぐに参画することに決めたんです。

F:ミネルバ大学と既存の大学で最も違うところはどこですか?

K:既存の大学とミネルバ大学は多くの点で違うところがあります。特に重要な点は3つあります。①学術面、②国際経験、③より適切な大学運営です。

学術面から説明すると、現代社会のニーズに適した最良の学習カリキュラム、最新技術を活用し、授業での学びを最大限に引き出す教授法、これによって従来の教師と生徒のより緊密な関係を実現していること。ミネルバ大学がオンライン技術を採用したのは、実証された学習効果の高い教授法を実現できるからで、それ以外の理由はありません。技術力を見せたいがために使用しているのではありません。

次に国際経験です。我々はこれからの時代のために、グローバル市民を育成します。ただ世界中の都市に滞在するだけでなく、それらの都市にある施設を利用し尽くせる人材です。そのため、あえて豪華なキャンパスを創るようなことはしないのです。それぞれの都市に滞在し、現地コミュニティに溶け込み、文化を理解、尊重できる人達になって欲しいと考えています。我々はキャンパスではなく、学生に最良の学習機会を与えることに注力しています。

最後に、最も大事だと感じていることですが、より適切な大学運営です。2つのポイントがあります。

ひとつは、入学試験です。我々は世界中の才能ある学生に最高の教育を提供したいと考えたので、一切の”枠”を取り除きました。ミネルバ大学の受験には国籍枠も、性別枠も、人種枠も、親がどんな職業についているかも関係ありません。純粋に、その受験生の学校での成績、課外活動、学力試験で判断します。私はこのようなフェアな入学制度を行っている既存の米国大学を聞いたことがありません。

もうひとつは、学費です。米国大学の学費はとんでもなく高額です。良識の範囲を逸脱しており、過去30年間のインフレ率の約5倍で費用が伸びているのです。ミネルバ大学の費用は米国の一般的なトップ大学の40,000-60,000ドル(約500-700百万円)ではなく、10,000ドル(約120万円)で生活費込みでも30,000ドル以下(約360万円)に抑えています。適切な運営を実現すれば、これでやっていけることを実証しています。

F:ミネルバ大学は学生のキャリアをどのようにサポートするのですか?

K:ミネルバ大学はキャリア開発において、既存の大学よりも有利な立場にいます。我々のカリキュラムは、既存の大学とその卒業生の雇用者のニーズのギャップを埋める上で、重要な役割を果たしています。

まず、カリキュラムは、どんな職業についても活躍できるための「学び方」を流暢に使いこなせるように設計されています。4つのコア技能であるクリティカル思考力、クリエイティブ思考力、効果的なプレゼンテーション力、効果的な対人コミュニケーション能力は、学部卒業生の雇用者が強く求めているスキルです。加えて、どの雇用者も、様々な国に住んで、現地のコミュニティでの活動経験を持った人材を嫌がりません。こうした人材が難しい状況で高い適応力を発揮することが実証されているからです。(※実際、ミネルバ大学の在校生には、既に各分野のトップ企業や研究機関からインターンのオファーが来ています)

また、適切な学費で運営されている、ということは、学生が卒業時により自分のやりたい職業を選べることにもつながります。(米国の平均的な学生は卒業時に約400万円の借金を抱えている)借金返済の必要が少ない分、自分の情熱を捧げられる職業に挑戦しやすくなるのです。

さらに、ミネルバ大学はプロフェッショナル・エージェントと呼ばれる、卒業生のキャリアをサポートする職務を設置しています。これは、一般的な大学には見られない仕組みです。(※一部の大学のMBAでは同窓会組織がゆるく実施している)卒業後、何年経ってもサポートを受けられる画期的な仕組みです。